Sporadic, But Never Quit

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USGKZ インタビュー01

INTRO(バンド活動前夜)

LARGE400をはじめ、長く日本のハードコアパンクシーンで活躍する、上杉耕造さんのパーソナルインタビューです。一筋縄ではいかない、でも耳触りの良い爆裂サウンドの源とは?

 

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▶それではインタビュー始めさせて頂きます、宜しくお願いします。


上杉耕造(以下USGKZ)「お願いします。」


▶私は昔から上杉さんのバンドサウンドが好きで、根本的にどう出来上がっているのかなというのが最初の質問です。広島県尾道市ご出身、ギターがとても上手いお兄さんがいらっしゃるという事をネットや雑誌で見ました。


USGKZ「そうそう、今でも俺よりギターの上手い、4歳上の兄貴がおるんよ。」


▶お兄さんはバンド活動をされていたのですか?


USGKZ「兄貴が大阪に住んでいた時期にバンドやってて、ライブハウスにも出とって、一回見に行ったことがあるな。今は地元帰って、結婚して子供もおって仕事をしてるっていう感じの、まあ普通の人かな。」


▶お兄さんのバンドはどういった感じの音楽でしたか?


USGKZ「BeatlesBlurとかのUKロックが好きやったから、そういうギターロックだったな。」


▶ハードコアではないですか?


USGKZ「うん、全然。」


▶では上杉さんのやっている音楽は全く興味ないのでしょうか?


USGKZ「でもね俺の活動は逐一チェックしているみたい。IdolPunchでここ数年、年末に(石野)卓球さんとライブやってるんやけど、終わって正月に実家帰ったら、「卓球さんのライブどうやった?」って。あぁ、知ってるんやな、って。兄貴は電気(グルーヴ)好きやったからね。」


▶では上杉さんとしての音楽のスタートは、子供の頃のお兄さんの影響ですか?


USGKZ「うん、あると思う。でもそれがすべてでは無いかな。」


▶記憶にある音楽の目覚めはいつぐらいですか?


USGKZ「小学校5年生くらいだね。ジャパンポップヒルっていう野外のイベントがあって、それがテレビで流れてたんだよね。その番組にでていたレピッシュユニコーンにグッときて、楽器を始めたいなと思って。小5、6の時は憧れで、実際にギターを弾き始めたのは中1かな。ギターを始めるにあたって当時一番大きな壁やったんが入手する事だったんよね。今は楽器安いけど、昔高かったしね。一番安くても3万とかそんなんやん。」


▶お年玉じゃ買えないですね。


USGKZ「上手いこと親戚のお兄ちゃんがおって、何本かギター持ってたから1本くれて、そこからユニコーンの曲を練習したりしてたな。」


▶ギター始めた当初はお兄さんに教えてもらったんですか?


USGKZ「いや兄貴には教えてもらってない。」


▶全くですか?


USGKZ「うん全く、思春期やったから(笑)。影響は受けとるけど仲が良いわけではなかったな。なんか教えてもらうの癪だなって(笑)。お母さんがちょっとギター弾けたからコードのCDEFGABは教えてもらったんよ。そこで基本がわかったらユニコーンのコードが載ってる本買ってきて、ポロポロ弾いとったんが中1くらいかな。」


▶中1で相手が4歳年上だとやはりお互いなかなか話さないですかね。


USGKZ「そうそう、向こうは思春期ど真ん中やし、オレは始まってきたぜ!っていう時だったからな。」


▶では音楽的な話っていうのはあまり兄弟でしなかったですか?


USGKZ「そんなにしなかったね。でも兄貴の部屋に入ったらDoll、宝島とかあって、むこうの方が文化が進んどったんよね。フリッパーズギターとかThe ピーズとか聴いたことのないCDとかあったな。」


▶お兄さんは高校の段階でかなり文化的に進んでいたんですね。CD貸してとか、本見せてとかはお兄さんもOKだったんですか?


USGKZ「いや内緒で(笑)。兄貴が遊びに行っとる時に、部屋に忍び込んでCD持ってきて、自分の部屋でカセットに録音してた。それを普通に聴いてたらバレるから、ウォークマンでイヤホンで聴いてたな(笑)。あとはれいこう堂っていう尾道レンタルCD屋の存在がでかかったな。」


▶レンタル屋さんだったんですか?


USGKZ「うん、販売もやってたけど。このれいこう堂はなんでか知らんけど、妙に尖ったセレクトだったんだよね。」


▶以前、このれいこう堂が映画になってたみたいですね。


USGKZ「そうそう、ドキュメンタリーの映画になったな。店主がすごい人で。本当にオールジャンルがそろっててね。店主本人は二階堂和美とかEGO-WRAPPIN'が好きらしいんだけど、すべての音楽を知っている。すべての音楽でセレクトが攻めてるっていう。レンタル屋だけど販売もやっていたから、尾道にいながら買えた音源というのが結構あって、U.G MANの8cmのCDとか売ってたからな。なんでだ!って感じで(笑)。」


▶昔って今のようにネット通販がないので、CD買った時に入っていたレーベルの広告とかみて電話して買う、とかそんな感じでしたよね。


USGKZ「あったあった。あとは高校生の時にディスクユニオンで通販してたね。インターネットは無かったから電話して、アレとコレとコレをお願いしますって感じで。その時、1万円超えたら送料無料って言われたんやけど、少し足らなくてそれ以上買うもの考えてなかったから、「僕の買ったものから導き出されるお兄さんが推薦する1枚入れておいてください」ってお願いして送料無料にして買ったことあったな。」


▶すごい(笑)。


USGKZ「高校生の時、八百屋でバイトしとって、そのお金は大体CDとかに使ってたな。あと音楽的影響でいうと昔、柔道やっとった時の3歳くらい年上の先輩のヨシキさんていう人もあるな。その人がギターやっとって、めちゃ上手かったんよ。Never mindがでる前のBleachの頃のNirvanaとか、Doolittleの時のPixiesとかを当時中学くらいだった俺にすごい推してきたんよ。その人の存在も大きいな。柔道めっちゃ強くて、ギターも上手くてかっこいい感じやったな。」